5月23日火曜日、笛吹市地域自立支援協議会「相談支援部会」では、当事者が主体となったサービス利用計画を作成できるようになることを目的とした演習を行いました。
※サービス利用計画とは・・・障害福祉サービス等の利用を希望する障害者の総合的な援助方針や解決すべき課題を踏まえ、最も適切なサービスの組み合わせ等について検討し、作成するもので、サービス利用者を支援するための総合的な支援計画のことをいいます。
「障がい当事者である私のことを、私抜きで決めないで」
こんなごく当たり前のことが、認められない時代が続いていました。当事者の思いを尊重した支援とはどんなものなのか。
当事者の思いを尊重した支援を行う元となる計画をどうやって作成したらよいのだろうか。
「一体、当事者の思いってどんな思いなんだろう??」
こういったことを具体的にするために、今回の演習を行うこととなりました。
今回の主人公は、市内在住の新沼さん。新沼さんは統合失調症という病気から、日常生活に様々な困難(障害)がある方です。
参加者(計画作成する支援者)は、障がい者の相談窓口となっている相談員や、笛吹市障害担当の職員。保健師、社協職員、サービス提供事業所の方々などです。

1、「本人のことは本人に聞こう」
はじめに本人から、ご自身の病気のこと、現在の生活の流れ、苦手なこと、将来の思いなどを語っていただきます。
本人も始めての試み。緊張しながら20分ほどの自己紹介です。
緊張するのも当然。この日はUTYが取材に来てくれました。
次は、聞き取ったことを元にして、新沼さんに聞き取りタイムです。専門用語でいう「アセスメント」となります。参加者全員で、様々な事を聞き取っていきます。
全員の質問が終わると、次は模造紙に「新沼さんってどんな人?」を作成します。各自が聞き取った内容を付箋紙に書き込み、新沼さん像を作り上げていきます。同じ話を皆さん聞いているはずなのに、それぞれ捉え方、表現方法が違います。
例えば・・・新沼さんは「人が苦手だが、大学生が多く集まるカフェには行くようにしている」と言いましたが、参加者は、「人と繋がることを頑張っている」とか「色々な世代の人と交流ができる」と言い換えます。
また、「病気ため、変化に対応するのが苦手で、1日決まった行動をとるようにしている」という言葉は、「規則しい生活が出来ている」とか「自分の行動を決めることが出来る」としました。

こうやって、各グループ30分程度を使って、模造紙に「新沼さん」を作ります。
完成したら、それを新沼さんに判定をしてもらいます。一番良く自身の姿を捉えているのはどのグループでしょうか。
各グループの「新沼さん」を見て、「僕はこんな風に見られているんですね」と感想を述べていました。
(2へ続く)