笛吹市障害者自立支援協議会 相談支援部会では、年に1回、市内の障害者に関わる事業所と一緒に、アセスメント演習を行っています。
今年は、2月21日火曜日の9時30分から、定例の相談支援部会「アセスメント演習」を開催しました。これは、市内在住の障がい当事者さんに出席して戴き、自身の障がいのこと、今までの生活歴などを質疑応答のような形で公開。様々な質問の中から見えてきた課題や夢や希望を聞き出しながら、今後どのような生活を目指したら良いのかを皆で共有すると言う演習です。




今回の参加者は、笛吹社協の地域活動支援センターの春日居ふれあい工房に通う根崎さんです。
根崎さんは今でこそ元気に自転車などで通うことが出来ていますが、以前は病気の為に入退院を繰り返し、大変な日常を送っていました。若い時には東京で働いていたり、石和ではお店を経営したりととても元気に動いていたのです。
でも、病院で知り合った人々、主治医の励まし、支援センターの相談員などの関わりから、少しずつ病気も改善し、地域での自立した生活を送ることが出来ています。

まずは支援センターで用意したプロフィールを元に、本人の語りから。病気になる前から色々な人と関わることが好きな根崎さん。話が弾んで止まりません。通例の部会では、皆さんの前で話す事に慣れてない方が参加するので、皆で一生懸命質問しながら、本人の思いを聞き出すのですが、今回はそんなことも無く、そんなことまで話しても良いのかな、と心配になるほど。
でも、それでも良いのです。地域には様々な障がいの方が生活している。根崎さんもまた、沢山語る中での孤独も、見えてきたりするのです。
まずは「根崎さんってどんな人」をテーマにグループワークを行います。質問に答える内容を元に、どんな人なのかを浮かび上がらせます。
その上で、根崎さんの夢や希望することを聞きだし、それに向って何をしていくのか、どんなお手伝いがあれば良いのかを上げていきます。
今は皆さんの支援があり何とかやっていけるが、将来を思うと経済的にこれで良いのかという思いはずっとあると言い、出来ればちょっとした仕事でも出来ればと思うと言います。
これらを紙に書き起こし、最後に根崎さんにみていただきました。
参加者の皆さんは、根崎さんが思う将来像を掴むことが出来たでしょうか。根崎さんが思っている困り事は、少しでも解消されたのでしょうか。
最後に根崎さんは、支援者に感謝の皆に言いたいことがあるとメモを取り出して、前日に考えていた様々な思いを伝えてくれました。主治医や相談員には諦めずにお付き合いをしていただいた感謝。周りで支えてくれている皆にも感謝。そして、同じ病気でなかなか改善されない仲間の支援にも、辛抱強く関わって欲しい等の気持ちを伝えてくれました。
様々な支援が重なり合うことで一人を支えていく。そうしてまた他の人に支援が移っていく。今回はアセスメント演習ではありましたが、ご本人が沢山話をしてくれたので、今までのように話が出来ない方に上手に話しかけて本音を聞き出すという練習とはなりにくい演習でした。
でも、沢山の話が出来た根崎さんはとても満足されていました。
このような演習を含め、相談支援への勉強となる部会を、来年度も継続をしていきます。よろしくお願いします。
部会長 鈴木勝利