この赤地に十字とハートのマークは、様々な障がいの方が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせるマークで、現在はJIS規格で全国統一のデザインになりました。

義足や人工関節を使用されている方、心臓など内部障がいの方、妊娠初期の方など、外部からは分かりにくい方々がいます。
山梨県や笛吹市は、このマークをカードにしたものを使用しています。市町村によっては、これをカードにしたり、タグにしてぶら下げられるようにしたりと、工夫されています。
山梨県や笛吹市のHPでは、「緊急連絡先や必要な支援内容などが記載されており、障害のある方などが災害時や日常生活の中で困ったときに、周囲に自己の障害への理解や支援を求めるためのものです。」と普及活動をされています。
このマークを掲示している方が困っているときは、どうか声をかけてあげてください。
よろしくお願いします。
さて、先日東京で電車移動をしていたときのことです。ジチョーも身体障害者手帳を持つ障がい者ですので、一般席が無い時は優先席を使用させてもらいます。この日も優先席の真ん中の席だけが空いていたので、座りました。
隣にはリュックを持った若い女性が座っていたのですが、私が座ったとたん、そわそわし始め、小さな声で何やらブツブツと言っています。ふとリュックを見ると、そこにはヘルプマークの入ったタグが下がっていました。しばらくはその状態でいたのですが、彼女は急に立ち上がって、車いすスペースの角に立ってちょっと興奮気味になっていました。
恐らく発達障害の方ではないでしょうか。発達障害の方の中には、自分が想定していなかったことが急に起こると、プチパニックの症状が出る方が居ます。優先席では周りも気を使ってあえて空けておく風景を見ますが、多分彼女も自分スペースを確保し、心落ち着かせて乗車をしていたのでしょう。私が座ったため、そのスペース確保が出来ずに落ち着かなくなったのだと思いました。
こういう時は、落ち着くまで待ってあげるのが良い場合があります。こういった時の処方は本人しか分かりません。
そう、ヘルプマークがあるからと、何が何でも声をかける必要もなく、「そっとしておく」というのも配慮になります。
「そう言われても、分からないなら助けようがないじゃないか。」と心ある方は疑問に思います。ジチョーも相談員として、一般の方に何度もこの質問をされたことがあります。大事なことは、発達障害の方の中には状況によってパニックになりやすい人が居る、ということを知ることだと思います。
こういうことを知らない場合、隣に座った人が同じようになったら、誰でも「何が起きたんだろう」と思うのは当たり前のことです。でも、何かの機会に、障がいによってはこういうことがあるのだということをご理解いただければと思います。
今日はまず、ヘルプマークがあること、これを付けるということは、何かの助けを必要としている人である、ということへの理解をお願いします。