「まんが日本昔ばなし」をご存じでしょうか。
このテレビ番組を懐かしいと思った方は40代以上ですね。1975年から1994年まで続いた、土曜の夜の30分間のアニメ番組でした。ジチョーは子供の頃、これと「8時だよ全員集合」を欠かさず見ていました。
この番組で、実に多くの日本童話を知ることが出来ました。怖い物から楽しいものまで。そして定番の物語も、ちょっとアレンジを加えた作品になったりと、多くの影響を受けました。
今だから思うのは、あの頃は「お茶の間」という、家族全員が集まって同じテレビを見るという習慣と空間があったのだと思います。家族全員で笑って楽しめた番組でした。
それが今や、テレビはそれぞれ個々で見るものになり、家族はそれぞれバラバラな時間と空間を過ごすのが普通になりつつあります。
このまんが日本昔ばなしの作家である、前田こうせいさん。今は河口湖の方で生活しているとのこと。その前田こうせいさんの新作アニメの上映会「前田こうせいの贈り物」ワンコイン上映会が山梨県内で巡回しています。
ジチョーは、5月19日の、大月短期大学の回に参加してきました。
新作は2本。「ぽち桜」と「約束」です。ぽち桜の原作は、花咲かじいさん。正直者の爺さんが飼っていた犬が「ここ掘れわんわん」と言うと、大判小判が出てくる。それを見た意地悪爺さんが犬を連れ去る。犬が示した場所を掘ると、この世の悪いものがうじゃうじゃと出てくる。怒った爺さんは犬を燃やしてしまう。かわいそうに思った正直爺さんがその灰を撒くと、何と枯れ木に見事な花が咲く・・というお話。
また、約束の原作は「桃太郎」。きび団子をもってお供の3匹と鬼退治に行った桃太郎は・・というお話です。
いずれも、実はとても残酷なお話です。最近は、こういった残酷なところはあえて見せない作品が多い中、前田こうせいさんは怖く、おどおどろしく作品を作ります。そして、その善悪の向こう側もアニメで見せようと試みています。
終了後のトークショーでは、いずれの作品にも共通しているのは富士山であるといいました。桃太郎の川の流れも、源流は富士から力を得ているのだと。
https://www.youtube.com/watch?v=HcMi58XEQcA 予告編です。
家族みんなで同じものを見て、同じ楽しみを共有する。悪が居て、善がある。鬼にも子どもがいて、生活している。地域福祉の原点は、家族であるといえます。
そんな懐かしい感覚を思いださせていただきました
次は県立文学館で、6月も上映の予定があるようです。ご家族と一緒に。
また、この映画に出演している声優さん(佐藤さん等)は、ジチョーの芝居仲間でもあります。前田康生さん共々、声優さんたちへの応援もお願いします。